歯科界へのメッセージ

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コムネット会員情報誌「Together」に掲載している、弊社社長・菊池恩恵によるコラム「TRIANGLE」です。

「4月」を迎え撃つために

●「20%受診減」の予測

 政権党の中に不協和音がこだまし、「3割化」「凍結」をめぐって最終盤の攻防が続くなかで、4月から社保本人3割負担が実施されようとしています。厚労省は、昨年10月の高齢者負担増によって、歯科医療費は6.4%減少と発表(2月19日)。「今回の『3割化』では20%以上の減少になるのでは」と行政担当者も大幅な受診抑制を予想しています。
 今は「駆け込み需要」で大忙しの医院も多いことでしょう。患者さんの「せめてもの抵抗」の気持ちを真摯に受け止め、共に「患者負担増」に反対するとともに、最も根本的な反撃の手段「予防&検診で健康づくり」を積極的に進めていきましょう。

●消費者は「保守化」している?

 医院経営の前進を考えるうえで消費者(患者)意識の動向を正確にとらえることが不可欠です。「不況で消費者は保守化している」(大和証券)と言われますが、それは一面的な見方です。ルイ・ヴィトン等高級ブランドも開店ラッシュ、「ブランド失速」と言われながら、値上げする銘柄さえ存在しています。ジャガー等の高級外車も売れています。レジャーでも昨年の海外旅行者は1640万人。ディズニーリゾートの入場者数も今年度2550万人にのぼり、客単価は1人平均9800円(家族4人で1日4万円)にのぼります。
 1400兆円、世界一の金融資産を持つ日本人、その「消費者」に対して、歯科を「美と健康」に投資する「ブランド」に育てるために、大胆な「マーケティング発想」への転換が求められています。

●ライバルは高級「ブランド」

 ドラッグストア業界は、大規模な出店ラッシュ。大手5社だけで今年度新たに240店舗を展開中です。4月からネットで薬情報も流すなど「負担増」の先取り以上に「健康志向」を商機とみた積極的な展開といえます。「国民のサイフの紐は固い」。それは、無駄金を使わず、「これは」と思う対象にはお金をかける現代人の消費動向を示しています。
 同時に、みのもんたのテレビ番組で紹介されると夕方にはスーパーの棚からその商品が消えるという現象。「情報に踊らされる」国民性を指摘するのはたやすいことですが、要は、価値のある歯科情報を広く宣伝することが、急速に「クライアントを育てる」ことを証明しています。
 「健康は何にも増して大切」と誰もが考えている。「より美しくなりたい」とも思う。ならば、その根本である「口腔ケア」の大切さをいかにアピールするか。それは歯科界が全力をあげて取り組むべき課題です。ライバルは、同業歯科医院ではなく、高級「ブランド」にあるのです。

●「美と健康」の扉ひらくカギ

 前回、「健康を増進させるために歯科医院の扉を開ける」、それが人間復興と医療再生「ルネサンス」の扉なのだと強調しました(歯科ルネッサンスの疾風になろう)。まだまだ「痛い・怖い・行きたくない」存在である歯科医院。それをもっと身近にできれば、「受診率6割」すなわちあと4割の潜在的要補綴治療患者の来院につながります。成人の「8割以上」が疾患を持っている歯周組織、さらに定期検診受診率がわずか2%という日本の現実は、イコール98%が予防の「対象者」潜在来院者であることを示しています。
 その先の「美と健康」を視野に入れれば、対象者はまさに「無限」なのです。その「扉」をひらく鍵のひとつが、パタカラコーナーのコラム・「1個10万円のクリームが売れるわけ」で述べられています。ぜひご一読ください。
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