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信頼は相手を「知る」ことから始まる
●経営の基本・3つのCと3つのD
1999年9月16日付の朝日新聞「天声人語」に、全米取締役協会(NACD)ジョン・ナッシュ名誉会長の発言として、「経営の基本は3つのCと3つのD」という言葉が紹介され、なるほどと思いました。
3つのCとは「まずはコミュニケーション、コミュニケーション、そしてコミュニケーション」、3つのDも同様に「まずはディスクロージャー、ディスクロージャー、そしてディスクロージャー」つまり、経営の基本は、徹底して情報公開し、コミュニケーションにつとめることなのだと明快に語っているのです。
●信頼の基礎は「互いを知る」こと
これは、そのまま歯科医院の経営にもあてはまります。医療の根本は「相互信頼」にあります。信頼を築くには相互理解が不可欠です。患者さんの情報は、問診票をはじめ、口腔内の診査によって把握できますが、患者さんは、自分の症状や治療内容を含めてほとんどの情報はドクターから示されないかぎり知ることができません。
患者さんは、たくさんの疑問や質問、不安をいだいています。その疑問に答え、情報を共有化し、そして選択していただく、そのステップを省略してはなりません。さらに、ドクターの人柄や診療哲学など、知ってほしいことは山ほどあるはずです。ドクターを知ることが信頼を確かなものにするのです。
●相互信頼こそ医院繁栄の礎
大事なことは、コミュニケーション力の有無が歯科医院の経営に直結しているという事実です。現在の「嵐の時代」にあっても、患者さんにできる限りの情報公開をして熱心にコミュニケーションをはかっている医院には患者さんがあふれ、笑顔が絶えないという実例がたくさんあります。
●インターネットを戦略的に生かす
日本のインターネット人口は1700万人、すでに人口の14%に達しています。急激に発展する情報社会のなかで、インターネットは今後、歯科医院にとっても必要不可欠なメディアとして重要な役割を果たすことになるでしょう。とりわけ医療法の「広告」に該当せず、自由な情報発信・交信のできるホームページは、大きな可能性に満ちています。
ぜひ、あらゆる機会を通じて、情報を発信してください。患者さんに「ドクターの心」を届けてください。それが、これからの歯科医療を草の根から大きく変える原動力になることは疑いありません。