ぐっと!同じ目の高さへ
●時代の主調音−患者の「知る権利」「自己決定権」
1999年夏、「患者の権利」をめぐる注目される動きがありました。6月、日本生協連の主催で、シンポジウム「カルテ開示と患者の権利−カルテ開示を広げるために」が開かれました。またその直後、「患者の権利オンブズマン」が福岡市で活動を開始しました。「ぐっと!同じ目の高さへ」をキャッチフレーズに、この秋「患者の権利章典実践交流会」(日本生協連医療部会主催)が開かれます。会員情報誌Together1999年7月号で紹介した宣言のほかにも、全国保団連の「開業医宣言」(1989)、日本生協連の「患者の権利章典」(1991)、日本弁護士連合会の「患者の権利の確立に関する宣言」(1992)等、「患者主権の声」は、日本においても確かな潮流になっています。
●もっともっと!たくさんの情報を
21世紀は、医療情報の開示と自己決定権を基本的権利として正当に位置づけ、医療者と患者の相互信頼と協力による診療スタイルが確立されるでしょう。いうまでもなく医療の根幹は「信頼」にあります。
患者さんは医療者との信頼関係を構築するために、「自分の体に関する十分な情報、正しい理解、そして主体的な選択と決定の権利の確立」を求めているのです。そのためには国民も「自らの健康に自己責任を負う」保険思想の確立が不可欠です。
まずはドクターが「同じ目の高さ」から、たくさんの大切な情報−予防、1本の大切さ、口腔内の状態、治療内容、費用、メンテナンス……等々を絶えず患者さんに語り続けていきましょう。