歯科界へのメッセージ

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コムネット会員情報誌「Together」に掲載している、弊社社長・菊池恩恵によるコラム「TRIANGLE」です。

歯科医療費年間2兆5千346億円

●平成9年国民医療費・歯科は0.3%減少

 厚生省は先ごろ「平成9年度国民医療費概要」を発表しました。「国民医療費」は、その年の医療機関等における治療費・療養費・薬剤費などを合わせた金額(推計)で、実に29兆651億円。30兆円目前です。医療費抑制政策のもとでも、前年比1.9%(5,441億円)アップ、国民ひとり当たり年間23万円の医療費がかかった計算になります。
 そのうち歯科は2兆5,346億円、前年比で0.3%、 85億円減少しました。各地から聞こえてくる、「患者減、収入ダウン」の声を裏付けています。不況のなかで「痛くなっても行かない」患者さん、「経済」が国民の健康を蝕んでいる現実の一端が浮びあがってきます。

●「子どもの治療費減少」の意味

 国民ひとり当たりの歯科医療費は20,115円。これは、同調査が始まって以来初めてのマイナスを記録しました。とくに年齢別で 0〜14歳の層は9,100円、前年の10,000円を1割近くも下回り、注目されています。同年齢層の一般診療医療費が下がっていないなかで、歯科が大幅にダウンしている理由は、この間の予防歯科の前進のなかで国民的な口腔衛生の意識が向上していることが背景にあげられるでしょう。
 「医療費30兆円・破綻目前」という状況の中で、医療費を確実に下げる経済効果をもつ「予防」に対する相応の評価が早急になされなければなりません。
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