くちビル鍛えて健康長寿!!
くちビルディング選手権!
今年も3月の第一日曜日に、神戸で第34回の「公衆歯科衛生研究会」(主宰:岡崎好秀 国立モンゴル医科大学客員教授。通称「ネコの会」)が開かれました。年を追うごとに進化(深化)発展を続けている「びっくり箱」岡崎ワールドの今年の目玉は「くちビルディング選手権」。「くちビルダー養成講座」をテーマに掲げ、口腔機能に特化した、食べる機能、噛む力や飲み込む力を競うスポーツ競技会に取り組んでみようと提起されました。
「ネコの会」大興奮のるつぼに
「くちビルディング」の発案者は、一般社団法人 グッドネイバーズカンパニー代表の清水愛子さん。「日本人の死亡原因の第3位になった誤嚥性肺炎の原因である口腔の筋肉や機能の衰えを改善したい、それもリハビリではなく、スポーツ競技として、老いも若きも誰もが気軽に参加して楽しみながらストレッチに取り組める保健活動にしたい」と燃えています。「ネコの会」では200人を超える参加者が16チームに分かれて、鼻の下に貼った海苔を舌で落として口に入れるスピードを競う「黒ひげペロリ」を行い会場は大歓声と熱気に包まれました。
口腔機能の5つのパワー
「くちビルディング」競技で評価する筋肉や機能は、@口輪筋・表情筋 A嚥下力 B舌筋・舌運動 C呼吸・肺活量 D咀嚼力 の5つ。「ジャイアントポッキーレース」や「ピロピロリレー」「チクワde吹き矢」などさまざまな種目を参加者の層や人数に合わせて組み合わせ、誰でもどこでも自由に楽しみながらこの5つの機能・筋力アップに取り組んでいける手軽さも魅力です。同時に「スポーツ競技」と銘打つうえでは評価の基準が求められます。グッドネイバーズカンパニーでは、3月末に「くちビルダー 春の測定会」を開催。科学的根拠をもった予防医療プログラム開発・展開をすすめるためのデータと指標作りにも取り組んでいます。
スタートは三陸・石巻から
この企画は2年前から三陸被災地でプレ企画を行って準備を進めてきました。被災地に飛び込んで歯科の診療を続けている宮城・石巻市雄勝の歯科医師河瀬聡一朗氏が競技開発アドバイザーを務めています。石巻の旭壽会の介護施設で2回プレ競技会が開催されました。平均年齢88歳の超高齢選手団が、勝ちにこだわり燃えに燃えて戦う姿が強く印象に残っています。口腔関連の筋力アップ効果もさることながら、体験してみると「競技」として勝ち負けを競い合う緊張感と連帯感がもたらす心理的効果の大きさを実感します。みんな「勝ちたい」のです。昨年、この競技会は「くちビルディング選手権」として本格的にスタートし島根や長崎など全国で開催されています。
(参考:https://www.facebook.com/GoodNeighborsCompany/)
「幸齢社会」めざして
清水さんは「ネコの会のエネルギーは凄いです!『食べる』事にいろんな角度からアクションをおこしているすばらしい方々に出会えて大感激でした。ぜひ皆さんとともに『くちビルディング選手権』の輪を広げていきたい」と、今後の展開に意欲満々。これから向かってゆく超高齢社会を超「幸齢社会」にするために「破壊力のあるジジババ」の行動変容を促し、健康長寿の日本を実現するひとつの起爆剤となるでしょう。この超ユニークなプロジェクト「くちビルディング選手権」がこれから全国津々浦々に広がってゆくことを期待し、応援したいと思います。