「はなちゃん」からのメッセージ
映画「はなちゃんのみそ汁」
先月全国106の映画館で「はなちゃんのみそ汁」が公開され1ヵ月間上映されました。33歳、乳がんで亡くなった安武千恵さんが綴っていたブログを基にした実話エッセイを映画化したもので、原作はベストセラーとなり、テレビドラマや教科書にも登場しました。
がんを宣告されながらも命を賭けてはなちゃんを出産、その後の再発・転移のなかで、幼い我が子に自分がいなくなっても生活していけるよう、家事や料理を教えていきました。メニューは玄米食に鰹節削りから始める味噌汁、三陸の塩イワシに納豆とぬか漬けでした。
生きることは食べること
それは、千恵さんが病魔と闘う中で「健康の基本は食生活」とそれまでの「食」を見直して選んだ日本の伝統食。「生きることは食べること」、だから「ちゃんと作って、ちゃんと食べる」。はなちゃんは千恵さん亡き後も教えを守り「自分の仕事」として家族、父親と自分の食事と弁当を作り一緒に朝ごはんを食べるシーンで映画は終わります。生きること、食べること(何を食べ、どう作り、どう食べ、誰と食べるのか)、健康、家族、親子…。人間にとって大切なものは何かを問いかける感動の物語です。
ちゃんと作りちゃんと食べる
この映画を見ながら、ひとつの歯科医院を思い浮かべました。埼玉県春日部市の内田歯科医院「歯っぴぃデンタル」。内田格誠(まさのぶ)院長(62)は、MS法人を経営する千里夫人とともに15年ほど前から幕内秀夫『粗食のすすめ』を手本に当番制で昼食を作っています。基本は自家精米の5〜7分搗きのご飯と具だくさんの味噌汁、おかず1、2品と自家製のぬか漬けが並びます。精米の歩合や味噌汁の出汁選び(鰹節・煮干・昆布・シイタケ)、おかずは当番の裁量で、1人で15人分の食事を作って1時に全員集合!訪問者があればその人も誘ってみんなで大きなテーブルを囲みます。
「思いやりの心」を育てる
昼食作りは、料理の基本を覚え、よく噛んで食べて味に敏感になり、便秘も解消して肌がきれいになって「病気知らず」になるいいことづくめ。「ちゃんと作って、ちゃんと食べる」効能は測りしれません。「昼ご飯作りで一番素晴らしいのは、『誰かのために作る』という思いやりの心が育つことです」と千里さんは言います。「体の健康とともに心も健康に育てていく。『食育』」のすばらしさはそこにあると思います」。
大テーブルを囲んで楽しい食事の時間を共にし、「食べられる」口腔機能の大切さと素晴らしさを日々体感している医院のスタッフは、患者さんへの対応も変わります。それが「口から始める健康生活」を唱え、歯科医院が「充実人生支援拠点」になろうという理念を掲げる「歯っぴぃデンタル」の「底力」と感じました。
「一緒に食べること」の大切さ
何を食べるか、どう食べるか、とともに「誰と食べるか」がとても大事なことです。コムネットでも2年半前から毎月1回「弁当の日」を開いて31回めになりますが、みんなで集まって食べる弁当は一味もふた味も違います。「弁当作りで人生観が変わった」メンバーもいます。
コムネットでは「社員研修」としてみんなで一緒に「はなみそ映画鑑賞会」を行いました。「はなちゃんのみそ汁」から、「食」を考え、家族を考え、仲間を考えるメッセージとあったかい気持ちをいただきました。