今いちばん大切なこと
あっちもこっちもどうなってんの!?
盛夏の候 暑中お見舞い申し上げます。この夏は、台風・大雨に猛暑の襲来とともに「いったい世の中どうなってんだ」とアツくなる出来事が続いています。バブルの危機をはらむ「アベノミクス」と円安株高、上場企業がリーマンショック以来の高収益を謳歌する中で中小企業や庶民は消費増税のボディーブローを受けて四苦八苦。復興が進まない被災地を横目に進められた新国立競技場建設の「2520億円超!」は国民の強い反対の声にさすがに「白紙撤回」に追い込まれました。
安倍〈安保法制強行採決〉の代償
国政の焦点である「安全保障関連法案」(安保法案)は、与党自民・公明が反対を押し切って7月15日の衆院特別委員会に続いて翌日の本会議でも単独採決を強行しました。憲法学者の大半が「憲法違反」と断じ、直前のNHK調査でも集団的自衛権行使と安保法整備を「評価する」回答が32%に対し「評価せず」が61%(他の調査も同様) という世論が過半数を占めているのに「違憲かどうかは最高裁が決めること」と数にまかせてゴリ押ししたのです。
暴走する安倍内閣と与党に対する批判は激しさを増し、直近(7月18日共同通信)の世論調査では、内閣支持率が2012年12月の第2次安倍内閣発足以来初めて「不支持」が51.6%と過半数を超え「支持する」の37.3%を大きく引き離しました。それに対しても安倍首相は「支持率のためにだけにやっているのではない」と言い放っています。
炎天下10万人が国会を包囲
この原稿に向かっている7月末。27日からの参議院の論戦を前にした25日26日の両日、猛暑のなかを「STOP戦争法」「アベ政治を許さない」等思い思いのプラカードに掲げた若者を中心とした市民が国会議事堂を取り囲みました。その数は2日間で10万人に迫る勢いでした(25日7万・26日2万5千)。これは「60年安保」、1960年6月に33万人が結集して以来といわれ、今回の安倍内閣の「傍若無人」の暴走に対する憤りの大きさを表しています。26日だけで、全国41ヵ所で「戦争法反対」の大規模なアクションが起きています。
国民の声を聴き審議を徹底せよ
この事態に直面して、安倍内閣の閣僚が「安保関連法案に対する政府の説明は不十分」と語り、安倍総理自身その状況を認めながら、法律が「実施されるなかで国民の理解が広がる側面もある」と「先に採択ありき」を正当化する強気の姿勢を崩していません。
思い起こすのは、コムネット創業のきっかけとなった出来事です。初代社長は歯科医院で何の予告も説明もなしにいきなり抜歯されたショッキングな体験を元に「きちんと説明しインフォームドコンセントを徹底する患者中心の歯科医院に変えなければ」と現在の事業を立ち上げました。
その根本精神は「患者中心の医療」すなわち憲法の精神にあります。さらに言うと「説明しない自分中心の身勝手な治療をする医院は滅びる」ということです。安倍首相のやり方はまさに抜歯してから、或いは(実際にある)黙ってインプラントを植えてから説明すればいいという考え方と同じ。「やってしまえばあとはこっちのもの」という安倍首相の傲慢さ、危険性に対して、安保政策や考え方の違いを越えて「強引なやり方を許さない」という世論が盛り上がっているのです。
今いちばん大切なこと、それは政治の原点に返って、謙虚に国民の声を聴き説明責任を果たすことです。