2015年に希望つないで
「大義」なき暴走解散
今年もあと1ヵ月、安倍首相はこの時期に突如衆議院を解散し12月14日に向けて師走の選挙戦が始まっています。今回の選挙は、相次ぐ閣僚の不祥事などによって急速に下落を続けている支持率を挽回するため、苦し紛れに「伝家の宝刀」を抜いた「大義のなき暴走解散」です。何はともあれ国政に希望の灯をともす勢力が躍進することを心から願います。
医療が変わり始めている
歯科界は、今年の夏から秋にかけて、日本の医療が変わりつつあることを示す出来事が続きました。本誌でも紹介しましたが、まず6月24日付「読売新聞」。
「医療ルネサンス」に東京「相田歯科クリニック」相田能輝氏(専門的口腔感染症予防研究会理事長)が登場しました。8月28日、同じく「読売」夕刊は「病巣の扁桃摘出」で「難治性の皮膚病、腎炎改善」という扁桃病巣疾患と全身疾患との関わりを特集し、掌蹠膿疱症患者への扁桃摘出治療で3年後実に9割の患者が完治した旭川医大の実践等を大きく紹介しました。
続いて9月14日の「日本病巣疾患研究会」第2回総会。読売報道を裏付ける根治療法の「扁摘パルス療法」や上咽頭炎に対する「Bスポット療法」が医療の「表舞台」に登場。さらに10月7日、口腔ケアのパイオニア米山武義氏に「保健文化賞」が授与されたことは、口腔疾患と全身疾患の関わり、言い換えれば「医科・歯科連携」の重要性がかつてない注目を集めている現在の医療界を象徴的に示す出来事でした。
口腔と全身疾患の関わり
10月30日歯科界に大きな驚きと感動を与え学会や講演会にひっぱりだこの福岡「みらいクリニック」の今井一彰氏(日本病巣疾患研究会副会長)の最新刊『あいうべ体操と口テープが病気を治す!鼻呼吸なら薬はいらない』(新潮社)が発行され評判になっています。
15年前、彼は関節リウマチの患者に共通する
「臭い」に着目。調べてみるとその臭いの元は口臭でした。口臭の原因は歯肉炎や歯周病。ならば口腔疾患とリウマチや他の「原因不明」の難病には何らかの因果関係があるのではないか。そして口腔疾患の根本原因が口呼吸にあると確信しました。
「病気の7割は口呼吸が原因ではないか」。彼は口呼吸を鼻呼吸に転換することで病気を治し予防できるという訴えと自ら考案した「あいうべ体操」を広めるために行動を起こしました。そして、日本病巣疾患研究会の会長堀田修氏が唱える「鼻呼吸を日本の文化に」のスローガンをともに掲げて東奔西走の毎日を送っています。
「安心」と「希望」の医療の夜明け
こうした米山・堀田・今井・相田各氏をはじめとする医科・歯科の臨床開業医による先駆的な研究や実践、社会活動が、いま日本の医療を根本から変えようとしています。
安倍政権のもとで日本の国民医療費は39兆3千億円(2013年)。対症療法・後追い治療・クスリ漬けの医療では病気は減らず、平均寿命は伸びても健康寿命との差は広がっています。医療費は今年40兆を突破することは確実。しかし仮に国民の口呼吸を鼻呼吸に転換してその7割を削減できるとしたら医療費は一気に10兆円まで下げられるのです。
突然の師走解散。アベノミクスの2年間は大企業の利益と富裕層を増大させる一方で年収200万以下のワーキングプア、貧困層の増大という「格差と貧困」を拡大させました。
国を元気にすることと国民を元気にすることの根はひとつです。歯科医療の夜明けと来年に希望がつながる結果となるよう14日はしっかりと意思表示をしていきましょう。