歯科界へのメッセージ

INDEX

コムネット会員情報誌「Together」に掲載している、弊社社長・菊池恩恵によるコラム「TRIANGLE」です。

健やかで活力ある高齢社会に

「抗加齢歯科医療」へのチャレンジ

●アンチエイジングブーム

「アンチエイジング」(抗加齢)が脚光をあびています。コエンザイムに代表されるサプリメントやHGH(ヒト成長ホルモン)などのホルモン剤が華々しく売れており、他方では、アンチエイジング=「美容」「若返り」という永遠のテーマも健在です。

アンチエイジング医学の定義は「健康と若さを保ちながら年を重ねることを可能にする医学」。人間誰しも「加齢」や「老化」そのものを止めることはできませんが、バランスよく、いつまでも「若々しく」「美しく」「元気に」生きることは可能であり、その願いを医学的に支援することがQOLの向上に寄与することは言葉を待ちません。

●「抗加齢」は21世紀型医療

日本の高齢者人口(65歳以上)は現在約20%(表)。10年後には4人に1人、30年後には3人に1人が高齢者になると予想されています。その高齢者が、健康な老後を送り、さらに生きがいと活力をもって活躍することができるなら、「高齢者」の概念そのものが変えられるでしょう。

それとともに、現在でも31兆円にのぼる国民医療費の37.7%、11兆円を占める高齢者医療費を大幅に減らすことも夢ではありません。アンチエイジング医療は、時代の要請に応えるまさに「21世紀型医療」といえます。

●あいつぐ抗加齢学会発足

先月、「日本アンチエイジング歯科学会」(松尾通会長)の第一回学術大会が開かれました。同学会は目標として、(1)容姿管理 (2)体調管理 (3)寿命管理 の3点を掲げ、審美歯科、サプリメント、インプラント、矯正、生活管理等々の事業をすすめたいとしています。

また、昨年発足し6月11日に第2回講習会を予定している「抗加齢歯科医学研究会」(斎藤一郎代表)は、抗加齢医学における歯科の役割として、(1)唾液の分泌促進 (2)サプリメント (3)容貌の若さ (4)重金属汚染対策 (5)遺伝子診断 等の分野からの実践が望まれるとしています。いずれの団体も、医科との連携をはかりながら「歯科医療のあらゆる場面からアンチエイジングに貢献する」という志は同じで、今後の活動が期待されます。

●「健康」「美」をターゲットに

2000年、当時の厚生省は「健康日本21」を策定し、2010年をメドに70項目の目標値をきめて健康増進を計画しました。ところが、期間半ばを過ぎた現在の状況は、肥満も飲酒量も増え、がんや糖尿病などの生活習慣病が増加するという結果になっています。

日本人の死亡原因の6割はこれらの生活習慣病に起因しており、医療費の3割がその治療に費やされています。国民の健康も医療経済も、深刻な事態が改善されていません。

アンチエイジング医療は、従来の「病気を治す医療」の流れを根本から変え、「健康」や「美」の維持・増進をめざす医療であり、「究極の予防医療」でもあります。

●「抗加齢」と口唇ストレッチ

日本の抗加齢医療団体の草分けとして5年前に発足した「日本抗加齢医学会」(水島裕理事長)は、会員数3千人を数える日本最大の抗加齢学会です。その学会誌「ANTI-AGING MEDICINE」最新号に、パタカラ開発者の秋廣良昭博士の特別寄稿「口閉じトレーニング」が掲載されています。口唇エクササイズによる「抗加齢」効果は、今後さらに注目されてくることは確実です。

「すべては口から」。アンチエイジング医療における歯科の役割を拡げるのは、日々患者さんと向き合っている臨床現場のドクターの「やる気」にかかっています。やれることはたくさんあります。新しい「抗加齢」歯科医療にむけてともにチャレンジしていきましょう。

歯科医院と患者さんのコミュニケーションを支援する 株式会社コムネット
株式会社コムネット:TEL 03-3350-0648 FAX 03-3350-6450    Copyright:(c) 2013 COMNET Co., Ltd. All Right Reserved.