歯科界へのメッセージ

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コムネット会員情報誌「Together」に掲載している、弊社社長・菊池恩恵によるコラム「TRIANGLE」です。

〈患者中心〉で歯科界の「新生」を

日歯連前会長有罪判決が示すもの

●懲役3年執行猶予5年

2005年5月31日東京地方裁判所は、日本歯科医師会(日歯)・日本歯科医師連盟(日歯連)をめぐる一連の事件で「政治資金規正法違反」「贈賄」「業務上横領」の3つの罪に問われていた臼田貞夫前会長(74)に対する判決公判を開きました。裁判長は「一貫して積極的に振る舞い、犯行に首謀者として深く関与していた」として、懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を下しました。この判決は、自民党橋本派や社会保険庁長官らに対する「政・官界への工作」を厳しく断罪するとともに、日歯会長選挙における買収資金に充てるために日歯連会費を横領した事実も認定し、日歯・日歯連内において重大な背信行為が横行していたことを明るみに出しました。

●判決は何を求めているか

臼田前会長が逮捕されたのは昨年の4月。以来1年余り、連日マスコミ、新聞紙上に取り上げられてきた日歯連事件、そこで糾弾されたのは、国民・患者の目の届かない舞台裏で中医協の委員に金品を渡し、「か初診」のハードルを下げ「診療報酬を金で買った」という腐敗した構造でした。医療行政を根底から歪めた事実に、患者・国民は日々の医療行為、治療費そのものに不安と疑念を抱き、「歯科医師全部が不正をしているのではないか」という医療不信を増幅させました。「国民への背信行為」「患者への裏切り」と各紙が連日大きく報じた、その根本を忘れてはなりません。

さらに、再逮捕され今回の判決で有罪が言い渡された日歯連会費の横領と日歯会長選挙の買収という組織の金権体質に対してどのように反省し、決意と展望を会員や国民に対して示してゆくのか、日歯執行部の2005年5月31日付「声明」にある「公正、清廉を旨とし、より一層公益法人・日本歯科医師会の社会的役割を果たして参ります。」という文言の実質が問われてくるでしょう。

●歯科界新生への期待と課題

2005年6月30日、日歯の臨時代議員会が開かれました。かねてから「金権・学閥選挙」と批判され、今回の裁判で厳しく断罪された事態をふまえて、真に公正・清廉な組織へと脱皮し、歯科界が「新生」する契機となるような、希望を拓く選挙が実施されることを期待します。

時代は〈人間の時代〉です。人間中心、患者中心の医療・歯科医療に根本的に変革を遂げる転換点を迎えています。国の制度、社会の枠組み全体が軋みながら、未来を模索しています。歯科界が、その社会、時代の変化とともに自らを変えていかない限り、「生き残り」は難しいでしょう。

しかし、厳しさの中に次の時代の光明、萌芽が潜んでいるのも事実です。誠実で、患者さんのために日々努力しているドクター、すばらしい経営を続けている歯科医院の存在を私たちはよく知っています。「患者さんとともに歩む」「感動と喜びを共有する」という軸足をしっかりと据えて、誇りをもって前進してまいりましょう。

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現在、「日本歯科新聞」にコムネット代表菊池恩恵が「行きたくなる歯科医院」を好評連載中です。ぜひご覧ください。(月1回 毎月第一週号に掲載しています。)
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