『患者が決めた!いい病院』
●オリコンが病院ランキング出版
オリコンといえば、「赤丸つき!」の音楽ヒットチャートで有名ですが、ビジネスモデルは市場の調査・分析。同社が「オリコン・メディカル」を立ち上げ、慣れた手法と、インターネット時代という環境のもとで、「患者9万人アンケート」を実施、首都圏一都三県1502の病院、診療所のランキングを発表しました。名づけて「患者が決めた!いい病院」。評価基準は、(1)医療全般 (2)医療水準 (3)医師の説明 (4)スタッフ (5)設備 (6)交通 (7)プライバシー (8)待ち時間の8項目。トータル100点満点でランクをつけ、各科目ごとに上位から100病院・医院を実名で発表するという、思い切ったものです。
オリコンによると、本書は9月1日の発売以来大きな反響を呼び、「関東版」が現在4刷15万部、11月には「西日本版」その後「東日本版」が出版される運びといいます。この「衝撃的」な「日本初の試み」に注目したいと思います。
●「真に患者にとって有益な情報を」
オリコンがこの調査・医療情報サービスを始めた理由は明快です。「2人に1人が、過剰な治療や薬を処方された経験がある。」「9割以上の人がインフォームド・コンセントやセカンド・オピニオンを希望している。」「しかし、どういう基準で医師や病院を選べばよいのか、セカンド・オピニオンはどうすれば得られるのかといった情報はあまりにも少ない」という現状のもとで、これまで散見された「医療サイドの情報」ではなく「真に患者にとって有益な情報」を提供したい。そのために、「患者の視点にたった情報を、客観的かつ公平に評価し、わかりやすくランキング」したといいます。
情報源はすべて患者。したがって「全ての医療機関を対象にしているのか」「専門的な評価と一致するのか」という疑問がおこるのは当然のことですが、しかし、そこには実際に通院した患者の目からみた、掛け値なしの『行きたくなる』病院、歯科医院が登場しています。
●患者は『情報』『説明』を求めている
このランキングが衝撃的なのは、徹頭徹尾「患者の目」からみた評価である、ということです。調査を総括して本書は「患者が求める“いい病院”」をこう表現します。「全体として『親身』『親切』『やさしい』『丁寧』『安心』『信頼できる』というキーワードが目立つ。…中で最も目立つのはインフォームド・コンセントに関する内容でした。」
それは「歯科医院選びのポイント」でも同様です。「治療の前に、症状の説明と治療の方針をきちんとわかりやすく説明してくれる歯科医師を選びましょう。」「特に抜歯については慎重に取り扱い、その必要がある場合には、納得いく説明をしてくれる歯科医師でなければなりません。」その意味では、「100医院」のなかにコムネット会員の医院がランクインしているのは「当然」ともいえますが、うれしいことです。
しかし、これが全てではありません。私たちは、さらに多くの「患者さん本位」の歯科医院、ドクターの存在を知っています。今回の9万人のインターネットモニターそのものの対象にならなかった医院の患者さんに、次回アンケートのメールが届くことを願っています。