歯科界へのメッセージ

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コムネット会員情報誌「Together」に掲載している、弊社社長・菊池恩恵によるコラム「TRIANGLE」です。

「オンリー・ワン」になるために

●世界に一つだけの花

 SMAPが歌う「世界に一つだけの花」。日常を題材にしたわかりやすい歌詞とメロディで、3月5日のシングル発売から一週間で120万枚を突破。ミリオンセラーとして快進撃を続けています。「大きな花、小さな花、それぞれ違う種を持って一生懸命咲いている。誰が一番ということはない」というメッセージが、この時代に響きあっているのです。人々の心に素直に直截的に届き、静かな想いを抱かせます。
 出口の見えない迷走の時代、競争社会に苦しみ疲れ果てた大人や子ども達に「No.1にならなくてもいい、(君が存在していること自体)元々特別な存在」なのだと認め、肯定しています。人々はこの歌の中に癒し、励ましを感じ力を与えられています。同時期に勃発し現在も続いている超大国のエゴイズムによるイラク戦争という事態を前に「反戦歌」として受けとめられたことにも道理があります。

●歯科の「パイ」は限界?

 政治・経済の失速状態のなかで年間2万件に迫る倒産(02年)、全国で200万人といわれる多重債務者、年間3万人を超える自殺者を生んでいる深刻な「閉塞感」が日本を覆っています。これまで、競合はあっても、世間の競争原理や弱肉強食とは縁遠い世界であった歯科界にも、「市場原理」の波が音をたてて押し寄せています。
 昨年10月の高齢者負担増、4月の社保本人負担3割化(窓口負担額50%アップ)の突風で、都市部を中心に受診率は急激な低下の様相を呈しています。患者負担は最終的には「5割負担」も予定されています。1医院あたりの人口は既に2千人を割り込み、6万5千医院で1億2千6百万人の歯牙とその歯周のみを対象としている限り、その「パイ」需要は必然的に限界を迎えます。

●「癒し」メニューでOnly oneへ

 しかし私たちは、この事態を突破できると確信しています。現行制度の元での経営向上の方策、「経営術」を提案するとともに、新しい歯科医療像を模索し続けてきました。結論的にいえば、新たな可能性を拓くためには、治療・補綴中心の歯科医療を転換し、予防を前提として、矯正・漂白等「美と健康」を標的にすること、と同時に、日々の診療に「癒し」のメニューを加えることが不可欠だということです。アプローチの方法、テーマは幾つでも見出せます。
 私たちが2年半、その発売当初から応援し続けている、パタカラによるMFT(口腔筋機能療法)は、そのなかでも手軽で大きな効果が期待できる方法論です。「パタカラ・ユーミー」のコーナーの「歯科の『土俵』を広げること」を参照していただきたい。現在歯科では診断すら許されないOSASに対する根本治療の可能性をはじめ、睡眠障害、皮膚疾患、摂食・嚥下、痴呆症への取り組みが、各地の大学や病院で始まっています。
 皆様方が「歯科の領域」を拡大し「癒しの歯科医院」として大きく一歩を踏み出されることを期待しています。それが「オンリー・ワン」への王道なのです。ぜひ素晴らしい貴医院独自の「花」を咲かせてください。
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