「あきらめるな!きっと良くなる」
ピンチはチャンス。逆境に負けない思考と言葉
●激動・激変の2002年、始動!
この2002年が、皆様にとって充実した明るい年になることを、心よりお祈り致します。昨年は「激動の21世紀」を物語る大事件が続き、その荒波は今年も私たちに影響を及ぼすでしょう。
年頭、経済4団体は「今年の秋には景気が回復する」と楽観的な見方を示しましたが、企業倒産や失業率等の経済指標や、金融・建設・小売・・・どの業界をみても、実体経済は極めて深刻な状況にあえいでいます。医療・歯科界にも「医療改革」の激震が迫っています。気を引き締め、決意を固めてこれからの医院経営に思いを馳せられた方も多いと思います。今回は、この激動・激変のなかをどのように生き、展望を切り拓いてゆくか、共に考えたいと思います。
●『十二番目の天使』が教えるもの
「1億人読者」の『ハリー・ポッター』には及びませんが、昨年65万人の読者を得た1冊の本があります。『十二番目の天使』(求龍社)、ある研修会で紹介され、読んで涙が溢れました。作者オグ・マンディーノ(1923-1996)は「世界で最もたくさんの読者を持つ人生哲学書作家」という称号を与えられています。
この作品は、アメリカの片田舎のリトルリーグチーム「エンジェルス」の監督を務めることになった失意の男ハーディングが主人公。チームの子ども達、なかでも一番小さく、1本もヒットが打てず、ダメな選手ティモシーが、どんなに打てなくても、失敗してもへこたれず、笑顔で「絶対、絶対、あきらめるな! 毎日、毎日、ボクはあらゆる面で、どんどん良くなっている!」と常に声に出して自分を励まし、仲間を励まし続ける姿に、一度は自殺まで考えたハーディングが人生を転換させていくという物語です。
人間、夢と希望を失わなければ、いかなる困難にも立ち向かってゆける、そしてそれを実現できる、と読者に励ましと勇気を与える感動的な作品です。
●「絶対、絶対、絶対あきらめない!」生き方
ティモシーが唱える「毎日、毎日、あらゆる面で、ボクはどんどん良くなっている!」というフレーズは、一世紀前に、フランスの心理療法学者エミール・クーエが唱えた「意識的自己暗示による自己支配」という理論に重なります。主人公もいいます。「このフレーズは、私の心を楽観的で希望に満ちた状態にいつも保ってくれていた。私の心の姿勢は、どんなに厳しい状況の中でも常に前向きだった。自分は毎日成長しているんだ!自分は必ず成功する!」。
前向きの発想は、前向きの行動を生み、必ず前向きの結果を生む。極めて単純な論法ですが、これは真理です。さらに「絶対、絶対、絶対あきらめるな!」という強い言葉、これも声に出し、繰り返してみると、不思議と元気が湧き、苦難にひるまないで前進しようという気持ちがみなぎってきます。決してあきらめず、夢の実現を信じ、明るく元気に諸課題に向かう。現在、院長や経営者、トップに求められている最も重要な資質です。
●夢を抱き、目標に向かって、全力で!
現代は「夢」を描きにくい、難しい時代にみえます。しかし、ピンチと感じられる現象は、実は飛躍のチャンスと裏腹なのです。診療報酬引き下げは、補綴中心主義の歯科医療の行き詰まりを示し、必然的に次の「予防の時代」への転換を求めています。歯科医院が増えることは、国民への医療サービスの質と量が充実することにつながります。力を合わせれば、「歯科」の裾野をさらに大きく広げることが可能なのです。
弊社がインタビューしたドクターは、口をそろえて「やるべきことは、まだまだ山ほどある」と言われます。今月インタビューしたO先生も、従来の「歯科」の概念を超えて「健康」をターゲットに、「歯科医院をアミューズメント空間に」と発想をラジカルに転換させています。コムネットがこの1年間パタカラを強力に推進してきたのも、歯科領域を革命的に拡げ、国民の「健康とアメニティ」の願いを実現する極めて有力な突破口になる、と確信しているからです。
視点を変え、夢を抱き「毎日、毎日、あらゆる面で、どんどん良くなる!」。そう自分に、スタッフに、患者さんに、声をかけていきましょう。そして、確信をもったら全力でやりきる。打つ手は無数、活路は必ず見出せるはずです。