歯科界へのメッセージ

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コムネット会員情報誌「Together」に掲載している、弊社社長・菊池恩恵によるコラム「TRIANGLE」です。

「黒船」来襲のなかで

迫り来る荒波に対峙し今何をなすべきか?

●2・26 Shock! コムスンの「日経」全面広告

 2月26日付「日経」全国版に「訪問歯科診療 提携歯科医院募集」と巨大コピーが躍る全面広告が掲載されました。広告主はデンタル・コムスン。高齢者介護のCMで評判のコムスンと同じ、グッドウィル・グループです。
 患者を掘り起こし、器材や訪問診療車とスタッフを提携歯科医院に派遣し、ドクターや衛生士とともに訪問するという、今までの日本にはなかったスタイルのマーケテイング会社。今年7月から、全国200拠点での展開めざし、提携医院の募集を開始したのです。

●渋谷の大画面に“Smile Revolution”

 東京・渋谷駅頭のスクリーンにはOCAの「Smile Revolution」。OCAはアメリカで500軒以上の歯科医院と提携し、年間30万人の矯正患者を組織している「全米歯科矯正センター」です。日本法人OCA-Jを旗揚げし、昨年から東京以西の約20医院を傘下に東進を続けています。
 謳い文句は「低価格」。治療費は日本の平均的金額の60%です。そのなかに初診(X線含)・精査・装置・調節・保定・保定チェックの費用がすべて含まれています。日本に上陸したこの「スマイル リボリューション」も歯科界のみならず、市民の間に大きなインパクトを与えています。

●「もう議論の段階ではない」(厚生省指導医療官)

 こうしたなかで2月20日「近未来の歯科界の行方」をテーマに第一回日本歯科医療研究会が開かれました。シンポジウム「わが国歯科医療の現状と課題」のなかで、厚生省指導医療官の川合一氏は「今はビッグバンの時代だ。医療改革は平成維新、過去の延長線ではない。電子化と外国資本の参入がその2本柱である。すでに黒船がきて、OCA、コムスンの他にも続々上陸している。自由競争の時代が始まっている。悠長に議論をしている時ではない。」と、規制撤廃と競争原理の波のなかで、護送船団の時代は既に過去のものであると力説しました。

●ビッグバンの「核」は患者中心の思想

 私たちが目の当たりにしている事態は、まさに川合氏の言葉どおりです。明治維新、黒船の渡来に攘夷か開国かで揺れた日本、また敗戦によって体制の変革を余儀なくされた日本は、今また「グローバル化」という黒船に相対しています。広告でわかるように、国民をターゲットにした戦略、これを甘く見てはいけません。また「規制強化」という発想でも対抗できません。既に「矢は放たれている」からです。
 この激動の時代を生き抜くには、患者さん=消費者の選択に応えうる、質の高い技術・十分な情報・快適性を提供しなければなりません。患者=顧客のスタイルをサービス業としてマニュアル化し、十分なトレーニングを積んだ新しいライバルと競い、打ち勝つために、今すぐやらなければならないことがあります。
 それは院長自身がまず、患者さんのために「変わろう」とすることです。小手先の対応では失敗します。うろたえず、原点にかえって、患者さんにとってプラスになることは何か、それを考えることから始めましょう。
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